災害の住宅誌 人々の移動とすまい
現在においても災害に見舞われた人々はすまいの移動を余儀なくされており、「元の場所ですまいを再建」するという考え方は地震活動の静穏期に生まれた一時的な幻想なのではないだろうか。
■目次
・第一章 常ならざる日本のすまい
災害とすまいの移動/阪神・淡路大震災後の応急居住の諸相/被災後の仮すまい建築の歴史/「元の場所ですまいを再建」
・第二章 災害とは何か
文明論としての災害/文化論としての災害/リジリエンス/しなやかなすまい
・第三章 世界の災害後のすまい
災害後のすまいの時系列モデル/シェルターと仮設住宅/災害後の恒久住宅の供給手法/災害後の環境適応
・第四章 災害と移動する人々
移動する人々と災害/フローレス津波災害と復旧・復興対策/再定住地の八年後/位動力とは何か
・第五章 災害と地域の生き残り
災害からの回復とは/アイタペ津波災害と被災後の生活/新たな平衡状態と社会の状況/災害からの「生き残り(survivability)」
・第六章 しなやかな「すまい方」とは
二十一世紀前半の日本/地域の「縮退」の実状/災害からの回復目標としての「生き残り」/しなやかな「すまい方」の希求
・第七章 東日本大震災
東日本大震災という社会現象/どのように備えていたのか/東日本大震災とすまい/地域再建の視点(流動性と地域の生き残り)
・第八章 東日本大震災 一ヵ月後の被災状況(2011.4.8~4.24)
・謝辞
著者:牧紀男
出版社:鹿島出版会
サイズ:B6
ページ数:183
発行年:2011.06
