日本の植民地建築 帝国に築かれたネットワーク
日清戦争から第二次世界大戦にかけて、東アジア各地に出現した日本支配地には、数多くの建物が日本人の手によって建てられた。それを植民地建築と呼ぶが、それらが成立した背景には、建築家などの人、セメントなどの物、雑誌などの情報が支配地相互に移動することを可能にしたネットワークがあった。それを解き明かしながら植民地建築の本質と植民地支配の実態を示す。
■目次
・はじめに
・序章 なぜ植民地建築を語るのか
・第1章 植民地建築
支配機関の庁舎/国策会社満鉄の建築/満州国政府の庁舎/植民地銀行
・第2章 支配機関の建築組織と建築家
台湾総督府の建築組織/朝鮮総督府の建築組織/関東都督府の建築組織/満鉄の建築組織ー満鉄建築を支えたマンパワー/満州国政府の建築組織/建築家の移動と異動
・第3章 植民地建築を支えた物
煉瓦/セメント/鉄
・第4章 植民地建築を支えた情報
建築関係団体の設立/建築関係団体の人的交流/建築関係雑誌の発行
・第5章 植民地建築とネットワーク
「植民地建築」の特徴/植民地建築の先進性・普遍性・世界性/植民地建築を支えたネットワーク
・終章 植民地建築のその後
・あとがき
・参考文献
著者:西澤泰彦
出版社:河出書房新社
サイズ:B6
ページ数:230
発行年:2009.10
