
植物の生の哲学
種が落ちた場所から動くことなく一生を過ごす植物は、光合成により酸素を作り出し、あらゆる生物が住まう環境を整える。つまり植物は世界と溶け合い、世界を作り出し、世界に存在している。動物の哲学も存在論的転回もやすやすと超えて、植物の在り方から存在論を問い直す哲学エッセイ。モナコ哲学祭賞受賞作。山内志朗解説。
■目次
I プロローグ
1 植物、あるいは世界のはじまり
2 生命領域を拡張する
3 植物、または息づく精神
4 自然の哲学のために
II 葉の理論 世界の大気
5 葉
6 ティクターリク・ロゼアエ
7 空気のただ中で 大気の存在論
8 世界の息吹
9 すべてはすべての中に
III 根の理論 天体の生命
10 根
11 最も深いところにあるもの、それは天体である
IV 花の理論 理性のかたち
12 花
13 理性とは性のことである
V エピローグ
14 思弁的独立栄養について
15 大気のごとくに
著者:エマヌエーレ・コッチャ、嶋崎正樹
出版社:勁草書房
サイズ:四六
ページ数:228
発行年:2019.08