都市の環境倫理 持続可能性、都市における自然、アメニティ
これまでの環境倫理学と都市研究をふまえながら、都市の持続可能性、都市における自然、都市の快適な居住環境(アメニティ)の維持という三つのテーマを軸に規範的な論点をわかりやすく提示する。ロマンチックな「環境保全」から市民が議論し規範を作り出す環境倫理へ。身近で具体的な現場に即し環境倫理を考える入門書。
■目次
・第I部 環境倫理学をふりかえる
・第1章 アメリカの環境倫理学
1 環境倫理学は何を問題にしてきたか 四つの論争点を中心に
2 環境倫理学はどこが間違っていたか 環境プラグマティズムの問題提起
・第2章 日本の環境倫理学
1 環境倫理学はどのように日本に導入されたのか 三つの基本主張
2 環境倫理学はその後どのように展開されたのか「ローカルな環境倫理」の提唱
・第3章 「都市の環境倫理」ための基礎
1 環境とは「身のまわり」 環境問題に関係のない人なんていない
2 人間は環境をどのように経験しているのか 「場所」への愛着を掘り起こす
3 環境からの情報をいかに読み解くか 「風土性」の観点からの環境倫理
・第II部 都市の環境倫理
・第4章 「都市の環境倫理」の問題領域と担い手
1 「都市の環境倫理」は何を問題にするのか 三つの問題領域
2 「都市の環境倫理」の担い手は誰か 都市計画者と都市の住民
・第5章 都市の持続可能性,都市における自然、都市のアメニティ
1 都市は地球の持続可能性に貢献できるか エネルギー問題を中心に
2 都市に見え隠れする「大きな自然」との共存 岸由二の都市再生論を中心に
3 都市のアメニティをどう確保するか 建造物の規制について
・第6章 「都市の環境倫理」の具体化にむけて
1 「美の条例」は何を目指しているのか 「らしさ」を「できるだけ変えない」
2 「アメニティマップづくり」で何が見つかるか 住民目線の「気づき」
3 ローカルな環境意識はグローバルな環境意識につながるか 「コスモポリタン的炉端」に生きる
・ブックガイド 環境倫理学を総覧したい人のための20冊
著者:吉永明弘
出版社:勁草書房
サイズ:A5
ページ数:231
発行年:2014.01
