建築技術 2002年09月号 接合部のデザインと力学
構造デザインとは力を制御し、架構を作り出していくことである。架構システムは、部材の配列や部材の特性(材料種別、断面形状)によって決定されるが、接合部のデザインも重要な要素となる。すなわち、接合部の特性によって力を制御することも可能であり、逆に接合部に発生する力を確実に伝えることができないと全体のシステムが成立しない。このような力学的な条件を考慮するとともに、接合部には美的な要素も要求される。見た目に美しく、シンプルなディテール、あるいはユニークな形状のディテールなど、見せるディテールとして設計者の力が発揮できるところでもある。さらには施工性や経済性も当然要求され、これらの矛盾する条件の中で最適解を探していくことは建物全体の設計と何ら変わらない。したがって接合部のデザインも最終的には個別的な要素が大きなものである。
本特集では、接合部のデザインを展開していくための手がかりとして、接合部デザインの基本事項を最確認し、その上で個別的な接合部デザインの実例を取り上げることとした。特に、それらのデザインの力学的な面からの検討も合わせて紹介することを特徴としている。
著者:
出版社:建築技術
サイズ:B5
ページ数:240
発行年:2002.09
