迷い迷って渋谷駅
渋谷ヒカリエの開業を機に再開発が本格化する渋谷駅の謎に迫り、その秘密を歴史的、構造的に見事に解き明かした異色の本。渋谷駅は1日約280万人の乗客が利用し、東京でトップ3に入る。しかし1位の新宿駅や池袋駅がプラットホームが平行に並ぶ単純な構造となっているのに対し、継ぎ接ぎの増築を続けた渋谷駅は乗り入れる9路線が絡み合い、「9層の迷宮」と異名を持つ複雑な構造になっている。全乗り換えルートは実に128もあるのに日々、大きな事故もなく交通結節点としての機能を果たし続けているのはなぜなのか。筆者は渋谷駅の動線はどのような構造になっているのかを長年研究し、立体模型、立体図を作成して人の流れを調べた。するとそこには「立体リング」と「平面リング」と筆者が名付けた「隠れた秩序」の存在が浮かび上がってきたのだ。
著者:田村圭介
出版社:光文社
サイズ:A5
ページ数:265
発行年:2013.03
