忘却しない建築
痛みの記憶を内包する未来のかたちとは? 3.11直後からゼネコンが入らない被災集落で調査をつづける建築家から、震災遺構やダークツーリズムの現在まで、さまざまな角度から「カタストロフから始まる建築」をルポルタージュ。9.11やヒロシマ、四川大地震の現場やアートの試みを参考にしながら、新しい建築と社会の関係を提言する。
■目次
・はじめに―いまだ3・11は終わっていない
建築の可能性? /被災地を旅すること/土地を奪う厄災の後で
第1章 建築の時間、記憶の時間
・そこにあるから伝わること
・建築による記憶の継承
第2章 あの日からの建築
・建築家、それぞれの朝鮮
・「3・11」展を中心に
・都市と建築を再定義する
・リレーショナル・アーキテクチャー―「3・11以降の建築」展
第3章 カタストロフをどう伝えるか メモリアル施設の現在
・9・11メモリアル探訪
静かな聖地/圧倒的な不在/地下に広がるメモリアル施設/音のリアリティ
・太平洋戦争の傷跡をたずねて
・四川大地震の震災遺構と都市開発
・阪神淡路大震災の跡地をゆく
第4章 福島をめぐる問題系 放射性廃棄物処理からダークツーリズムまで
・フクシマから世界へ
第5章 カタストロフを受けとめる創造
・芸術祭における震災という主題
・芸術が喚起する空間の記憶
・過酷な現実社会に解き放たれた想像の力―ヤノベケンジ論
・おわりに 「被災物」を抱きしめて
著者:五十嵐太郎
出版社:春秋社
サイズ:四六
ページ数:267
発行年:2015.09
