サービス・プロバイダー 都市再生の新産業論
長く深いトンネルの中にある日本社会と経済。これまでのやり方ではだめだと思っても、人びとはその先にある未来を描けないままである。本書は、限界が見え始めたモノを大量につくり、大量に廃棄し続ける「プロダクト・プロバイダー」の対極にある、モノの有用性を最大限引き出す新産業「サービス・プロバイダー」を紹介するものである。ここでは、建物の骨組みを残し中身だけを取り替える産業をビジネスモデルとして取り上げている。著者らは、パイロットプロジェクトを立ち上げ、実際に、建物の中身をさまざまに変えていくことを試みるなかで、法規制の問題、技術的問題、組織のあり方について総合的に考察し、その産業としての可能性を具体的に明らかにしている。価値転換を伴う豊かさの実現を提案する本書は、閉塞状況にある人びとに対する希望のメッセージである。
著者:野城智也
出版社:彰国社
サイズ:B6
ページ数:213
発行年:2003.05
