住風景を創る 居場所のかたちと空間作法
大学在学中に友人から親の家の設計を依頼されたことに始まり、以後四十数年、著者が日々の生活の場を見つめながら住宅設計の取組みを通して得た貴重な経験と視野を、実作を織り込みながら語る。著者のフリーハンドによる味わいのある図面表現は、建築科の学生や建築家を志す若い人々、すでに実務に通暁している設計者にとって、図面を描く喜びや住宅設計の楽しみを再発見し、建築家の「初心」の大切さを思い起こさせてくれる。
■目次
・はじめに
・第1章 木々の恩恵-木や植物から学ぶもの
それぞれの家の木/木々との共棲
・第2章 家の骨格への視線-初めての作で考えたこと「下落合の家」
場の骨格としての造り<戸田の家>
・第3章 小ささの持つ場の親密-小規模の家の空間とその質
物と間、物と間合いの調整、住まいの原点-ワンルーム住居、実際の取組み
空間の小ささを補う設備「新座の家ii、新座の家iii、八街の家」
・第4章 土地や風景との対話-土地の相と場所の想
広がる住まい方、自然の中の家、土地との出会い、風景の多面性と視界の編集
空間の多角性と建築の規範、居場所の確かな骨格性(箱根の家i、明野の家、
箱根の家ii、高根町の家)
・第5章 場所を織る-生活のかたちと居場所の骨格
人や土地との出会い、人の期待や場所を読む、場所を織るという感じ
住み継がれた家と場所、場所の芽を植える(美しが丘の家、葉山の家、
吉祥寺の家、大泉学園町の家)
・第6章 都市に拓く庭-生活の中に呼び込まれる自然
幼児期の家の記憶、閉じていく家、外に開く工夫
内部化する庭(江古田の家、東玉川の家、上野桜木の家)
・第7章 ともに住むかたち-生活の場の区分と交流
複数の家族の住むかたち(計画案A、丸山町の家、新座の三軒家)
・第8章 「プラン」をめぐって-アイレベルからの空間と場の思考
プランの持つ意味、生活の観察、居場所のかたち、居場所の拠り所
細部への眼差し、住居のプラン構成-生活のかたちと居場所の骨格
著者:益子義弘
出版社:彰国社
サイズ:B5
ページ数:139
発行年:2007.11
