「いい建築」をつくる構造設計のエッセンス
「いい建築」とは、「いい構造」をもっていなければならない。建築家と構造設計者のコラボレーションが話題になる今日。科学技術の発展に伴って詳細かつ膨大になってきた構造技術を利用するには、これまでのことを少し整理する必要がある。本書は、基本を大事にする一方、目的実現に近い現実的な技術を大切にすることを大きな方針として著者がわかりやすく整理した、建築家のための構造設計スキルアップ本である。
■目次
・第1章 鋼材とコンクリートを上手に利用する
鋼材の力学的性質/鋼材の選び方/コンクリートの力学的性質/コンクリートの収縮ひび割れ対策/コンクリートの選び方/鉄筋の選び方
・第2章 梁の力学をマスターする
曲げ剛性と曲げモーメント/片もち梁の力学/片もち梁の力学の応用/単純梁の力学/単純梁の力学の応用/両端固定梁の力学/単純梁と両端固定梁の比較/一端固定・他端支持梁の力学/格子梁の力学/連続梁の力学/梁の力学を骨組みに応用する
・第3章 骨組みの構造解析を理解する
骨組みの構造解析の原理/弾塑性解析の方法/塑性化の意味/構造解析の入力/力の伝わり方を追う/要素の荷重変形関係/支点の条件/接点の応力と変形/骨組みの構造解析結果の確認
・第4章 振動解析も理解しよう
振動解析の原理/固有値解析/時刻歴応答解析/振動解析の利用
・第5章 地盤・基礎・杭の力学をマスターする
地盤の力学的性質/地中応力と沈下量/杭の力学/基礎の応力/地盤調査の方法
・第6章 構造設計の目的を意識する
構造設計とはどういうものか/構造設計の目的/目的を果たすための課題/目的を実現するための方針/目標性能の設定/設計用荷重の決め方/限界値の設定
・第7章 最適化する
発想の仕方/仮定の仕方/最適化のチェック
・第8章 地震に立ち向かう
耐震設計の課題/地震に立ち向かう工夫/基本計画のポイント/ディテールを確実に/非構造部材の地震対策/耐震診断の考え方/耐震補強の方法
・第9章 建物を上手に支持する
地盤に伝える荷重/地盤の強度/沖積層での支持/杭を打つかどうかの判断/杭の選び方
・第10章 強い柱・梁・床をつくる工夫
強い柱をつくる工夫/梁を強くするヒント/床振動を抑える方法/床を薄くする工夫
・第11章 構造設計実務を理解する
構造設計図の構成/構造設計図の確認/構造計算書の構成/構造計算書の確認/監理の仕方/検査の仕方
著者:深澤義和
出版社:彰国社
サイズ:四六
ページ数:274
発行年:2007.12
