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山林都市 黒谷了太郎の思想とその展開

セール価格 3,080円(税込)

詠み人知らずとなったユートピア。

職住一体で経済的に自立し、エネルギーを地産地消する都市。家屋の3倍の面積を標準とする宅地が並び、電気自動車が走るその都市は、大きな家庭でなければならない、、、、。大正10年に「山林都市」を著し、た黒谷了太郎は、その実現をみることなく一生を閉じた。

一方で、第二次世界大戦後に西山夘三・丹下健三・菊竹清訓・山下和正らが手掛けた計画の中には、「山林都市」「森林都市」「林間都市」「山岳都市」という言葉を見出すことができる。敗戦から高度経済成長を経てバブル経済が破綻する道程において、黒谷の「山林都市」は、現れては消えていく「詠み人知らずのユートピア」となっていた。

「山林都市」の実現は、われわれ日本人の彼岸なのかもしれない。

■目次

・第一章 「山林都市」前史

 「山容」の美学、「林相」の美学

・第二章 山林都市/一名林間都市

 都市計画家・黒谷了太郎、「山林都市」の特徴

 「山林都市」以外の著作について

 黒谷了太郎による「山林都市」の位置づけ

・第三章 「山林都市」の想像力

 都市計画愛知地方委員会による整地事業

 小田原急行鉄道株式会社による「林間都市計画」

 B・タウトによる「生駒山嶺小都市計画」

 小林一三による「森林公園式都会」

・第四章 「山林都市」の構想力

 西山夘三、菊竹清訓、南海電鉄による住宅地としての「山林都市」

 丹下健三、菊竹清訓、山下和正らによる別荘地としての「山林都市」

・第五章 「山林都市」のデザイン

 「斜面」のデザイン、「緑地」のデザイン

 「山林都市」の遺伝子

著者:堀田典裕

出版社:彰国社

サイズ:B5

ページ数:173

発行年:2012.12