復刻版 本瓦葺の技術
多くの復刊を望む声に応え、再版することとなった1974年初版刊行の復刻版。内容は国宝・重要文化財を多く手がけた本瓦葺の名職人が、自ら体得、または編み出した技法をまとめたものである。伝統的な技術の伝承者が少なくなってしまった現在、本書は設計者、施工者、または葺師などの和風建築に携わる人々にとって、貴重なバイブルとなるであろう。
■目次
・I 準備編
一、野地板を作るまでの注意
破風取付けの高さ/破風尻の高さ/箕甲中央部の野地/向拝付野地の反り
寄棟造りの棟
二、野地が出来てからの注意
掛瓦断面原寸図
三、起源
鬼瓦の陰陽/飛鳥の破風について/朝鮮の破風および降棟・隅棟・向拝・箕甲
鎌倉時代以後の破風
降棟について/隅棟について/室町時代の瓦
四、瓦関係の心得
諸瓦寸法/掛瓦寸法算出/掛巴について/二ノ平について/隅唐草
鬼瓦・隅巴・熨斗
五、特殊瓦
拝み唐草・拝み巴/谷瓦角度/谷唐草・剣付け/谷巴/二枚続き隅唐草型台
六、葺き準備
割付け/唐破風掛瓦割付け/棟反りの準備/平葺の凹凸直し/向拝付野地の凹凸調べ
・II 施工編
七、各種瓦葺工法
地葺の工法 一/地葺の工法 二/平瓦について/巴について/丸について
掛瓦唐草/掛瓦二ノ平/掛瓦巴/箕甲平/袖丸/鬼瓦/大棟/降棟/隅棟
甍棟・組棟/雁振および鳥衾/寄棟造 地葺/寄棟造 大棟/寄棟造 隅棟
宝形造 露盤/唐破風 向拝掛瓦/隅唐草/隅巴/桟瓦葺の向拝
・III 参考編
八、参考
線/勾配/土葺/空葺 木造/コンクリート屋根(土葺)/コンクリート屋根(空葺)
参考事項/海竜王寺五重小塔模型
九、雨仕舞
雨漏りについて/瓦屋根の寿命と野地について
十、古代瓦の識別
古代瓦について/平瓦の変遷/丸瓦の過程/唐草瓦の変遷
十一、瓦の作り方
平瓦の作り方/丸瓦の作り方/唐草瓦瓦当の付け方/巴瓦瓦当の付け方
行基葺の施工法/時代鑑別の注意/鵄尾の横穴について
十二、まとめ
復刻版の発刊によせて/序/井上さんと私/あとがき
著者:太田博太郎監、井上新太郎
出版社:彰国社
サイズ:B6
ページ数:295
発行年:2009.11
