藤村龍至×山崎亮対談集 コミュニケーションのアーキテクチャを設計する
「建築家」も「ランドスケープデザイナー」も、役割が問われる時代。本書には、転換期に生きる悩める学生たちへ、具体的に何を学び、どう生かして仕事をしていけばよいか。建築設計のスキルは、社会問題解決のスキルとしても応用できる。本書は、2人の先達がその具体的な方法を伝授する。「設計」のスキルを生かして、社会問題を解決する「ソーシャル・アーキテクト」になれ!
■目次
・始めに 私たちは「ソーシャル・アーキテクト」 藤村龍至
・第一講 建築家とコミュニティデザイナーの共通点とは
アーキテクトとしての建築家を「アーキテクト2.0」と呼ぶ
ひょんなことから「コミュニティデザイナー」を名乗るはめに
計画側の論理でコミュニティをつくろうとした第一世代
住民参加型でハードをつくろうとした第二世代
ハードから撤退したコミュニティデザイン第三世代
近代化途上と近代化後ではコミュニティデザインの考え方が変わる
つくらない時代の建築家の役割
技術(テクネー)を統合(アーク)するアーキテクト
政治と近い建築の考え方をもう一度示す必要がある
田中角栄はもっとも有名な建築家だった
「助けてと言える社会」が「文学」になる公共建築の現代的な役割とは
状況を先取りする北海道の建築家たち
コミュニケーションのスケールに限界はあるか
コミュニティデザインの現場から学ぶこと
行政のことをただ批判していても仕方がない/トップにアプローチせよ!
教育で学生の問題解決能力をもっと鍛えよ!
コミュニティデザインと建築設計はいま限りなく近づいている
・第二講 建築のノウハウを使って、コミュニケーションの設計にチャレンジしよう!
私、建築をつくりたくないんです 西上女史の悩み
二〇〇五年、「つくらないことをつくる」事務所を立ち上げる
「つくらないことをつくる」契約のやり方とフィーの設定
年間百本、企画書を書く。企画書はめげずに何度も書き直す
勤めた設計事務所では企画書書きとワークショップの仕事ばかり
設計はしたいけれど、独立する気はさらさらなかった
モチベーション3.0時代の組織づくり/studio-Lが誕生するまで
僕は磯崎新フリークなんです。長男に新の一字をつけました
コミュニティデザインの仕事ができる人材の育て方/僕のワークショップはゼミ形式
みんなのやる気を持続させるための動機づけに悩んでいる
・第三講 建築家はアーキテクチャについてもっと語ろう!
少しずつ自分がやりたい方向にずらす/話を後戻りさせないための方法
先を読む力、話を固める力が大事
ケータイの予測変換、場合の数/どうしたらアイゼンマン的飛躍を防げるのか
コミュニティデザイン3.0はアイゼンマン的飛躍を許容する
ワークショップは地域の無意識を可視化する
フォーム・ギバーではない建築家を目指す
建築家はアーキテクチャについてもっと語るべきだ
空間を通してコミュニティをつくっていくというロールモデルをつくりたい
小さな建築をつくって大きなアーキテクチャをつくる
・第四講 一人一人の価値をエデュケートしよう!
つくることにこだわり続ける社会/コンクリートから人へ??曽根田さんの場合
つくりたいという煩悩から解脱させるには/大学教育の矛盾
作家型教育か、技術者型教育か
バックキャスティング/作家型と技術者型の設計を並行して教える
頼まれもしないのにコミュニティデザインをやっている
現場はつねにワークショップ/グループワークと民主主義社会
コミュニケーションの構造設計
エデュケーションとは、一人一人のもっている価値を引き出すこと
・終わりに 建築的思考の可能性 山崎亮
著者:藤村龍至、山崎亮
出版社:彰国社
サイズ:B6
ページ数:214
発行年:2012.07
