ノイズを設計する あたりまえの建築をめざして
無秩序に立ち並ぶ建物や人々の生活から溢れ出すモノなどは、設計条件のなかでもネガティブな「ノイズ」として位置付けられがちだが、ノイズに対する感度を高めてみると、そこには豊かなサウンドを見出せるかもしれない。本書では、そうした姿勢で設計に取り組む4人の住宅作品とその手法を紹介。作品を見学しながら収録した座談会も盛り込み、それぞれの共通点や相違点、そして近代の先にある豊かさを獲得するための設計手法を探る。
■目次
・はじめに ノイズと対話する「あたりまえ」を再構成する
伊藤博之・川辺直哉・田井幹夫・松野勉
・水平面がつなぐ、モノ、家具、建築
(MATSUBARA 伊藤博之建築設計事務所)
4人の視点/ここが知りたい
・シンプルな矩形に変化を生む「どこでもない」場所
(TAKANAWA 伊藤博之建築設計事務所)
・見えないノイズを拡声する巨大な気積
(和賀材木座の家 アーキテクトカフェ・田井幹夫建築設計事務所)
4人の視点/ここが知りたい
・環境に応答しながら、アクティビティを覆う大きな屋根
(佐野の大屋根 アーキテクトカフェ・田井幹夫建築設計事務所)
・現場のノイズを静かに混ぜ合わせる(LUZ白金 川辺直哉建築設計事務所)
4人の視点/ここが知りたい
・環境と暮らしをつなぐ、形態の異なる2つのハコ
(鎌倉極楽寺の住宅 川辺直哉建築設計事務所)
・大地との間にざわめきを生む、うねる壁と床
(大地の景色 松野勉・相澤久美/ライフアンドシェルター社)
4人の視点/ここが知りたい
・住宅、事務所、オープンスペースを狭小地に押し込む、生き生きとした生活空間
(foo 松野勉・相澤久美/ライフアンドシェルター社)
・小坂淳インタビュー ノイズを拡張し、新たな価値を導く
・安東陽子インタビュー 空間から聞こえる声をテキスタイルで伝える
・敷地のノイズを読み解き、形を与える
・おわりに 「あたりまえ」の先にあるもの
伊藤博之×川辺直哉×田井幹夫×松野勉
著者:伊藤博之、川辺直哉、田井幹夫、松野勉
出版社:彰国社
サイズ:B5
ページ数:111
発行年:2014.04
