
21.5世紀の社会と空間のデザイン 変容するビルディングタイプ
激動の予感に満ちた21世紀中葉(21.5世紀)に向けて、考古、建築、舞台芸術、社会デザイン等20名の論客たちが提示する社会と空間の見取り図。佐藤信と伊東豊雄の特別対談では、百年、千年単位で考える公共圏のための空間を明らかにする。
本書では、多くの人が日常的に親しんでいる住宅やオフィスなどの建築、そして劇場という施設=空間を、ビルディングタイプというその使い方やしつらえから多面的に眺めた。そして、社会とともに変化してゆくこれからの建築や空間における重要かつ注目すべき点を、百年、千年単位で考える公共圏のための空間をはじめ、社会デザイン、考古、建築、舞台芸術等、20名の論客たちが鮮やかに示した。
■目次
総論
ビルディングタイプと社会デザインはどこへ向かうのか
21.5 世紀の社会と空間のデザインへ向けて 文明社会の危機管理と木の葉のざわめきを意識しつつ 中村陽一
ビルディングタイプのゆくえを考える 五十嵐太郎
タイプとしての「未来都市」 磯達雄
第1部 日常から積み重ねるデザインアプローチ
プレスメイキングの現場で生まれるささやかな気づき 西田司
トピックス(1) Design Camp2020ワークショップ「ポストコロナの街づくり」
タクティカルアプローチが21.5 世紀のビルディングタイプを拓く 槻橋修+神戸大学槻橋研究室
トピックス(2) 「ポストコロナの社会と暮らしに応えるデザイン」
第2部 公共圏のための空間 百年、千年単位で考える
キーノートセッション対論 佐藤信+伊東豊雄
1.広場 公共圏としてのオープンスペース
日本における先史から古代の広場・再論─人々が集う場(広場)の考古学 橋本裕行
中国都市における市 小澤正人
インダス文明の広場(庭) 宗䑓秀明
古代メソポタミアの都市景観 古代都市における広場のあり方について 小泉龍人
古代エジプトの広場的空間 遠藤孝治
近現代の広場 市川紘司+東北大学大学院五十嵐太郎研究室
これからの都市公園の公共性について 山﨑誠子
2.劇場 文化芸術の居場所というビルディングタイプの行方
劇場の歴史を公共性から振り返る 坂口大洋
小劇場と〈公共〉 〈 脱植民地状態〉を再び意識するために 内野儀
劇場の公共について これから起こることの先憂として 伊藤裕夫
舞台技術の大変革は劇場の公共性に何をもたらすのか
インタビュー1 舞台技術全般 創作発信型劇場の新しいモデルを目指して 堀内真人
インタビュー2 照明 機能を最大限に生かす人材育成を 黒尾芳昭
インタビュー3 映像 映像と舞台技術の共存と調和へ 飯名尚人
COVID-19とこれからの劇場 佐藤信
おわりに 21.5世紀の社会と空間デザインのために
21.5 世紀のデザインに、公共を実装する 髙宮知数
・付録 大和ハウス工業株式会社寄付講座「文化の居場所を考える」全記録
著者:中村陽一、髙宮知数、五十嵐太郎、槻橋修
出版社:誠文堂新光社
サイズ:A5
ページ数:256
発行年:2022.09