
「ショッピングモールの父」と呼ばれたくなかった男 ビクター・グルーエン
1950年代アメリカ、「全天候型のショッピングモール」はビクター・グルーエンによって発明されました。これが「イオンモール」や「ららぽーと」の原型となります。
グルーエンは、コンパクト プラス ネットワーク、ミクストユース、TOD(Transit Oriented Development)、トランジットモールなどの都市政策を一早く提起した人物でもあり、そういった功績から「ショッピングモールの父」と呼ばれました。しかし、彼は「ショッピングモールの父」と呼ばれることを嫌っていました。
それはなぜなのか?
そしてグルーエンの目指した「最善の歩行空間への努力」とは何だったのか?
本書では50本の映画のエピソードを交えながら、その謎を解き明かしていきます。
■目次
・第1章 ウィーン 1903~1938
芸術と恋の都/ファシズムの暗雲
・第2章 ニューヨーク 1938~1941
ハリウッドからの援助/ブロードウェイから5番街へ
・第3章 ビバリーヒルズ 1941~1948
アメリカ国籍の取得/ヨーロッパに帰らないグルーエン
・第4章 ハリウッド 1948~1954
赤狩り/反撃する映画
・第5章 デトロイト 1948~1954
オスカー・ウェッパーとの出会い/ノースランド・センターの飛躍
・第6章 ミネアポリス 1954~1956
愛憎ないまぜのディズニーランド/世界初のショッピングモール
・第7章 フォートワース 1954~1958
反撃する都市/ジェイコブズの絶賛/豹変するジェイコブズ
・第8章 ロチェスター 1956~1962
レオナルド・ダ・ヴィンチ号/懐かしのウィーン/官民連携プロジェクト
・第9章 フレズノ 1958~1964
都市心臓部への外科手術/モーゼスとの対決
・第10章 パリ 1967~1971
モールの遊歩者/建築とは、凍れる音楽である/モーゼスの退場
・第11章 再びウィーン 1969~1980
グラシスとダイアグラム/都市への最善努力
著者:ハーレイ・岡本
出版社:日本橋出版
サイズ:四六
ページ数:196
発行年:2024.11