近代奈良の建築家 岩﨑平太郎の仕事 武田五一・亀岡末吉とともに
岩﨑平太郎は大正期から昭和期にかけて奈良県を中心に活躍した建築家で、明治期に仁和寺・東本願寺の新造営を手掛けた亀岡末吉に学び、のち京都帝大教授の武田五一に師事して共に活躍した。多数の建築図面を作図し、これまで武田設計とされた諸建築に大いに関わってきたことが、遺された図面から判明した。本書は現存する岩﨑関連の建築作品を自身による図面・資料とともに紹介し、寺社建築、和風・洋風の建築に通じた知られざるその仕事とともに、謎が多かった武田や亀岡の建築活動を岩﨑の仕事から検証する。
■目次
序論 岩﨑平太郎の建築遺産 その背景と人
1章 京都の時代
・京都の社寺 修理と造営 八坂神社・仁和寺・東本願寺
附 亀岡末吉邸(世界救世教黎明教会)と亀岡末吉関連資料(岩﨑家所蔵)
・パナマ太平洋万国博覧会 日本政府館
・下村忠兵衛邸(白河院)
・勝田銀次郎邸(天理教兵庫教務支庁)
・観菩提寺楼門の修理
・播州 清水寺の諸堂と慈眼寺持宝院大師堂
・妙成寺五重塔の修理
2章 吉野の時代
・吉野銀行の各支店 五條支店・高田支店・田原本支店・黒滝出張所
・奈良県下の小学校 名柄小学校・治道小学校・菅野尋常高等小学校・五條小学校
・北村又左衛門の関連建築
・北村宗四郎 上市本邸
・和歌山北村邸
・吉野鉄道の駅舎 吉野駅・吉野神宮駅
・阪本仙次郎別邸 白雲荘
・増井正夫邸 陸風荘
・森野旧薬園 知止荘
・N林業事務所
・松尾四郎邸と松山城址展望台
・屋島ホテル計画案
・奈良県知事公舎
3章 奈良の時代
・畝傍中学校校舎(畝傍高等学校)
・大礼記念京都美術館の設計競技の応募図案
・佐保会館(奈良女子大学同窓会館)
・建国会館と丹波市警察署
・奈良県信用組合連合会ビル
・天理外国語学校本館(天理大学一号館)
・天理教旧奈良教務支庁(天理教天御津分教会)
・天理教敷島大教会
・南都銀行の各支店
・奉安殿・泰安庫
・あとがき
・岩﨑平太郎 略年表
著者:川島智生
出版社:淡交社
サイズ:B5
ページ数:160
発行年:2011.12
