
ウチとソトをつなぐもの 沓脱の変遷と役割 中世・近世の庭園と建築から
<内から外、外から内へ――その中間にある、あいまいな日本の領域〉>
<履物の着脱とその装置から解き明かす、新視点による日本の建築・空間論>
寝殿造や書院造に代表される日本古来の建築では、御簾(みす)、蔀(しとみ)、障子、襖などによって空間が曖昧に区切られており、区切りの壁を持つ西洋建築との顕著な違いとなっています。そうした日本の建築と庭との間には「ウチ」とも「ソト」ともいえない縁側などの「中間領域」が存在し、そこでは履物の着脱行為を行う装置として「沓脱」が機能しています。この沓脱について、種類と変遷、精神的役割などの諸相を史料から解明し、今まで全く顧みられることがなかった分野に光を当てるのが本書。
著者:山澤清一郎
出版社:淡交社
サイズ:A5
ページ数:320
発行年:2025.03