「窓」の思想史 日本とヨーロッパの建築表象論
建築物に欠かせない「窓」。それはまた、歴史・文化的にきわめて興味深い表象でもある。そこに込められた意味を日本とヨーロッパの比較から探るひとつの思想史。
■目次
・まえがき
・第1章 ヨーロッパ 発信型文化と垂直志向
窓の開閉とヨーロッパの発信型文化/塔とキリスト教/ゴシック大聖堂の思想
・第2章 日本 受信型文化と水平志向
日本の動作と受信型文化/日本家屋の水平志向/縮小志向の日本文化
・第3章 永遠性と一回性 窓ガラスと障子
ヨーロッパの石とガラスの文化/光を支配するヨーロッパ/障子紙の半透明と一回性
・第4章 ヨーロッパの閉鎖性と日本の開放性
「廊下の発明」と個室の成立/鍵と封じ込めの文化/日本の住空間の開放性
・第5章 窓辺の風景
ヨーロッパの都市の風景/絵画のなかの窓/日本の窓辺の風景
・第6章 窓の風俗史
ヨーロッパの窓と性風俗/ヨーロッパの「飾り窓の女」/日本の遊郭と夜這い
・第7章 政治支配のシンボルとしての建築
ヨーロッパのヒエラルキーと視覚化/ヨーロッパの絶対主義君主と建築/ファシズム建築の思想
・第8章 窓と欲望の資本主義
鉄とガラスの資本主義/万国博覧会のパビリオン/装飾性から機能性へ
・第9章 垂直志向から水平志向へ
「資本の論理」と9.11テロ/アメリカ一極主義からの転換/共生と水平志向というパラダイム
・第10章 窓のメタモルフォーゼ
スピード化と流線型化/窓のメタモルフォーゼ/映像メディアと窓
著者:浜本隆志
出版社:筑摩書房
サイズ:四六
ページ数:270
発行年:2011.10
