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「暮し」のファシズム 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた

セール価格 1,980円(税込)

1940年、第二次世界大戦への参画を睨む近衛文麿政権は、国民を戦争に動員するための「新生活体制」の確立を唱えた。生活を一新し、国民を内面から作り変える。

そのために用いられたのは、男性を戦場に駆り立てる勇ましい言葉ばかりではなかった。「ていねいな暮らし」「断捨離」「着こなし」「町内会」「二次創作」。これらは、元を正せば戦時下に女文字のプロパガンダがつくりだしたものである。現在私たちが享受する「当たり前の日常」の起源を問い、政治の生活への介入があからさまになった「withコロナ」の暮らしを見つめ直す。

■目次

序章 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってくる

第一章 花森安治と「女文字」のプロパガンダ

第二章 太宰治の女性一人称小説と戦争メディアミックス

第三章 戦時下のミニマリスト詩人・尾崎喜八の「隣組」

第四章 「サザエさん」一家はどこから来たのか

第五章 制服女学生とガスマスクのある日常

付論 花森安治の小説とモダニズム

あとがき 「暮し」のファシズム

著者:大塚英志

出版社:筑摩書房

サイズ:四六

ページ数:352

発行年:2021.03