法隆寺の謎を解く
法隆寺は世界最古の木造建築として「世界遺産」に指定されている。しかし実は、私たちが目にしている法隆寺は七世紀後半から八世紀初めにかけて「再建」されたものであり、そうしたことがわかったのは1939年になってからのことにすぎない。しかも聖徳太子による創建から「再建」達成までの百年間は、仏教の日本化と並行して、古代王朝の内部で激しい権力闘争が起こった時期でもあった。仏教やヒンズー教などのインドの宗教建築を踏査してきた著者が、回廊の構造や加藍の配置などから古代世界を読み解く、空間的な出来事による「日本」発見。
■目次
・はじめに-挫折から
・序章 法隆寺の謎
・第一章 法隆寺をめぐる
・第二章 めぐる作法/めぐる空間
・第三章 法隆寺は突然変異か
・終章 日本文化の原点に向かって
・あとがき
・参考文献・図版出典
著者:武澤秀一
出版社:筑摩書房
サイズ:新書
ページ数:280
発行年:2006.06
