郊外の社会学 現代を生きる形
団地、ニュータウン、新興住宅地。戦後日本の「郊外」と呼ばれる社会は、高度経済成長と相関し、都市に付属する空間として作り出された場所である。そこでは住居やライフスタイルまでが商品として購入され、住み続けることのなかにブランド志向が伴われてきた。こうした「郊外」は現代人の宿命でありながらも、その重層性と移ろいやすさゆえに、そこに生きる人びとの欲望や社会構造は、これまで十分に描き出されてこなかった。この本では、郊外生活者としての自身の経験と都市社会学の知見を結びながら、郊外という場所を生み出したメカニズムを考察する。郊外を生きる人びとの生に言葉を与える試み。
■目次
序章 郊外を生きるということ
第1章 虚構のような街
第2章 この立場なき場所
第3章 郊外を縦断する
第4章 住むことの神話と現実
第5章 演技する「ハコ」
結章 郊外の終わり?
著者:若林幹夫
出版社:筑摩書房
サイズ:新書
ページ数:231
発行年:2007.03
