階級都市 格差が街を侵食する
「格差」が問題視されるようになって、はや数年。ついに格差は、風景にまで現出してきた。小さな木造家屋が建ち並ぶ下町に、富裕層向けマンションが建設され、昔ながらの街の景観は破壊される。同時に、地域間の格差は拡大し、富めるものは富める地へ、貧しいものは貧しい地へと、振り分けられる。そして、「山の手」「下町」といった歴史的な境界線は、都市をより深く分断する。まさに「階級都市」の出現である。本書では、理論、歴史、統計、フィールドワークなど様々な視点から「階級都市」の現実に迫る。
■目次
・第1章 風景としての格差社会
・第2章 なぜ「階級都市」なのか 都市構造と資本主義
・第3章 異国の風景 「下町」と「山の手」の言説史
・第4章 進行する都市の分極化 統計でみる階級都市
・第5章 階級都市を歩く
・第6章 階級都市から交雑都市へ
著者:橋本健二
出版社:筑摩書房
サイズ:新書
ページ数:270
発行年:2011.12
