反オブジェクト 建築を溶かし、砕く
自己中心的で威圧的な建築を批判したかった。
周囲の環境から乖離したオブジェクト的なる建築。それらは、建築史と思想史というパラレルな2つの潮流の中で繰り返し台頭する「オブジェクト中心主義」、つまり主体(サブジェクト)と客体(オブジェクト)の分裂と相克から誕生した。デカルト以降の思想史的パースペクティブから現代建築を捉えなおし、「消去する」「粒子へと砕く」などの試みを通して、新たなる可能性を拓く。世界中で進行中のプロジェクトで、いまもっとも注目を集める著者による、思索と宣誓の書。書下ろし自著解説付。
■目次
はじめに
第1章 接続する事 日向邸
第2章 流出する事 水/ガラス
第3章 消去すること 亀老山
第4章 極少とする事 森舞台
第5章 線へとほどく事 ベネチア・ビエンナーレ
第6章 転倒する事 劇場の反転
第7章 電子に置換する事 慰霊空間
第8章 粒子へ砕く事
自著解説
著者:隈研吾
出版社:筑摩書房
サイズ:文庫
ページ数:291
発行年:2009.05
