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眼の神殿 「美術」受容史ノート

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明治洋画の開拓者・高橋由一が構想し、遂に未完に終わった「螺旋展画閣」。時代の力動を体現するこの構想は、あるひとつの言葉、「美術」の生成と軌を一にしていた。由一の事業着想の背景、博覧会・美術館・美術学校など諸制度の誕生、フェノロサと国粋主義運動…。入念な史料分析によって、官製訳語がいかにして成立し、定着=規範化していったか、その過程が明るみに出される。鮮烈なまでに露わとなるのは、「美術」という言葉が紛れもなく時代の分水嶺を象っていたことだ。制度論の視覚から結晶化していく概念史。それは、以降の美術史研究を一変させた。第12回サントリー学芸賞受賞。

■目次

・序章 状況から明治へ

・第1章 「螺旋展画閣」構想(洋画史の舞台―高橋由一の画業=事業

・第2章 「美術」の起源(文明開化の装置―博物館の起源

・第3章 「美術」の制度化(建築=制度への意志―明治一四年の由一

・終章 美術の終焉と再生―日本語「美術」の現実

著者:北澤憲昭

出版社:筑摩書房

サイズ:文庫

ページ数:460

発行年:2020.12