
皇帝たちの都ローマ 都市に刻まれた権力者像
帝国の首都として繁栄を極めたローマ。世界に類を見ない壮麗な都市と建造物は皇帝たちの熾烈な権力闘争の場であり、その政治的意図を示す舞台でもあった。本書ではカエサル登場以前の紀元前2世紀から、コンスタンティノープル遷都にいたる330年まで約500年のローマの都市計画と建造物を一望し、そこに刻まれた各皇帝の政策や思想、歴史を読み解く。凱旋門、神殿、コロッセウム、浴場、広場や水路などを備えた都市はやがて変革期を迎え、皮肉にも都市に蓄積された歴史の重みによって終止符を打たれることになる。帝国の興亡を浮かび上がらせるスリリングなローマ都市史。
■目次
第1章 壮麗な都へ――カエサルの野望
第2章 秩序ある都――アウグストゥスの政治
第3章 新都市整備計画――ネロの光と影
第4章 横溢の都――フラウィウス朝の時代
第5章 都市機能の充実――五賢帝の時代
第6章 王朝都市――セウェルス朝の目論見
第7章 永遠の都――都市に刻印される歴史
著者:青柳正規
出版社:筑摩書房
サイズ:文庫
ページ数:464
発行年:2024.09