クラフツマン 作ることは考えることである
ローマ帝国の煉瓦職人から名器ストラディヴァリの工房まで、近代世界が忘却したクラフツマンシップ(製作者本能)の由来をたずね、その現代的意味を問い直す。
■目次
序論 自分自身の製作者としての人間
ハンナ・アレントとロバート・オッペンハイマー
プロジェクト『クラフツマン』『戦士と僧』『外国人』
第一部 クラフツマンたち
第1章 悩めるクラフツマン
近代のヘファイストス、衰弱した動機づけ
断片化した技術、対立する規範
第2章 作業場
ギルドの家、親方の自立、彼の秘密は彼と共に死んだ
-ストラディヴァリの作業場にて
第3章 機械
鏡となる道具、啓蒙されたクラフツマン
ロマンティックなクラフツマン
-ジョン・ラスキンが近代世界と闘う
第4章 物質への意識
変容、存在、人間化
第二部 クラフト
第5章 手
知的な手、手の美徳、二本の親指、手、手と目
第6章 表現力の豊かな指示
指示の原理、書かれたレシピ
第7章 道具を目覚めさせる
難しい道具、修理をする、崇高な道具、覚醒
第8章 抵抗と曖昧
抵抗がもっとも小さい道、事態を難しくすること
抵抗の場、曖昧さ、即効性
第三部 クラフツマンシップ
第9章 品質にこだわる作業
熟練した技術、ヤヌスの顔を持つ強迫観念、天職
第10章 哲学の作業場
仕事と遊び、能力、操作知能
結論 哲学の作業場
プラグマティズム、文化、倫理学
著者:リチャード・セネット、高橋勇夫
出版社:筑摩書房
サイズ:四六
ページ数:544
発行年:2016.07
