
建築とエネルギーの人類史
ピラミッドから現代建築まで、偉大な建築物を生み出すには人力から始まり水力や石炭、ガス、電気、石油など、さまざまなエネルギーが動力として用いられた。さらに完成した建物の維持にもエネルギーが必要とされた。本書は、建造物と、それを生み出したエネルギーとの関係を何千年にもわたって辿った、壮大な人類史である。人類が様々なエネルギー源と出会うことで浮上したのが、環境問題である。石炭の使用により大気汚染、労働者の健康や生活環境の悪化がみられるようになった。そして建築技術が発達した現代、大量の建造物の建築・解体・再建築が繰り返されることで資源の問題も生じる。「持続可能な社会を見据えた建築」とは何か。SDGsの観点からも、非常に興味深い作品である。
■目次
・第1章 あまりエネルギーを使わない暮らし
・第2章 農耕、都市、記念碑
・第3章 我らと彼ら
・第4章 エネルギーの急成長
・第5章 「権力の大きさを示す指標」とは?
・第6章 疫病と繁栄
・第7章 レンガとモルタルの行進
・第8章 「全世界が望むもの」
・第9章 形は燃料に従う
・第10章 「速度の美」
・第11章 計測するまでもないほど安い
・第12章 今日の大規模なエネルギー革命
著者:バーナバス・カルダー、岩崎晋也
出版社:東京堂出版
サイズ:A5
ページ数:528
発行年:2023.06