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JA 46 hiroshi naito 内藤廣

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どのようなものであれ建築は例外なく未来の時間に向けてつくり出される。未来は不確定で、人の思いは気紛れだ。それでも建築は未来の時間を生きなければならない。われわれにできることは、よく分からない未来の時間から欠片を拾い出してきて、現在に再構築することだ。その行為は考古学と似ている。考古学ははるか昔の小さな欠片から、過去の時間の全体を組み立てていく。われわれは未来の欠片から建築を組み立てていく。だから建築は、未来に遡る、という逆説的な構図を内包する。何を手がかりにするかは人それぞれだ。建築に向き合っている時間によって選択するものが変わる。考古学が地形と物質を手がかりとするように、わたしは自分の建築の手がかり、つまりもっと確かな未来の欠片は、地形と物質だと思っている。風景の基層である地形、ディテールの構成要素である物質、極大と極小、いずれも気紛れな人間の思惑が届きにくいところにある。人の欲望の対象である建築にとって、地形と物質は、支配することも無視することもできない相手だ。それだけに、それらが建築という価値の基本的な輪郭なのだと思っている。

【序文より 内藤廣】

初期のものから現在進行中のプロジェクトまで約20年間の作品16題を収録。

■作品16題 島根県芸術文化センター(仮称)、ギャラリーTOM、住居NO.1共生住居、海の博物館、住居NO.14筑波・黒の家、住居NO.15杉並・黒の部屋、住居NO.21千歳烏山の家、茨城県天心記念五浦美術館、牧野富太郎記念館、倫理研究所 富士高原研修所、安曇野ちひろ美術館、最上川ふるさと総合公園センターハウス、山代再興九谷窯跡覆屋、フォレスト益子、ちひろ美術館・東京(仮称)、住居NO.22

著者:

出版社:新建築社

サイズ:A4

ページ数:128

発行年:2002.06