住宅建築 2026年12月号 建築家の職能
その敷地に適した建築をイメージして図面を描き、建物の完成まで関わる。これはおそらく変わることのない建築家の仕事だ。一方で、現代では過疎化が進む地域や空き家問題、職人不足への対応、環境負荷をかけないものづくりなど、建築家に求められる役割は「建物の設計」にはとどまらなくなってきている。
これらのことは、建主との関係性だけでなく、建築をつくる仲間や、その地域の人、他分野の人たちとどのように関係を築いていくかということと無関係ではない。また建築家自身が働きやすい環境であることは、こうした取り組みを無理なく維持できることに繋がり、長く働き続けていくことにも繋がるだろう。
建築家の職能とは何か。本特集では、既存の枠組みにとらわれず活動する3組の建築家(エイチ・アンド一級建築士事務所、邸宅巣箱、内藤廣建築設計事務所)の取り組みを紹介する。
■特集 建築家の職能
・第1部 丹波篠山 エイチ・アンド一級建築士事務所
営みの中から生まれるもの 半田俊哉・ 平田智子
作品6題 設計=エイチ・アンド一級建築士事務所
暮らしと風景を結ぷ家 丹波篠山の自邸
循環する屋根 稲わらの小屋
近くの物で、近くの人たちとつくる H&・月書房
自ら伐った木で、自力で建てる 木こりの家
山と共にある暮らしと営み 谷本篤嗣・谷本藍子・半田俊哉・平田智子
山主・木こり・大工・建主を繋ぐ TANZAKU
古民家の大空間と素材を活かした犬と泊まれる宿 YAYA
・第2部 鎌倉
邸宅巣箱
地域のなかで協働する。新しい建築家像 邸宅巣箱
作品4題 設計=邸宅巣箱
新旧が滲むあわい 大町アトリエ
邸宅の歴史を紡ぐ 鎌倉のオリエンタルヴィラ
「住まう意志」を讃える墨色の家型 墨色の家
町の空間構造を展開する 道のりの家
・第3部 災害と建築家
復興のかたち――記憶の手がかりとして 内藤廣
■特別記事 残す改修
暮らしの物語を紡ぐ 多田正治アトリエ+ENDO SHOJIRO DESIGN
作品3題 改修設計=多田正治アトリエ+ENDO SHOJIRO DESIGN
古民家への小さな介入 岩倉の古民家
増築された古邸宅をほどく 北山の古邸宅
2軒の長屋を対角線の軸で再構成する 長屋の対角線 美容鍼灸 龍ノ穴
■シリーズ
・研究室からフィールドヘ 第58回 竹でつなぐ福住の景観
兵庫県丹波篠山市福住 関西大学住環境デザイン研究室 宮地茉莉助教
祈りの場 弔いの場 第8回 金山町火葬場
設計=益子義弘+浅野崇 彫刻=山本正道 寄稿=堀部安嗣
・連載
和の世界の空間探求 第13回 公共住宅の和室
企両・監修・文=服部岑生
INTERIOR -Invisible Axis- 第44回 220° HOUSE MIKI TAKASHIMA
・書評
『建築の物質性』『建築の装飾――主体性と政治性のあいだ』
(アントワーヌ・ピコン 著、千代章一郎 約、鹿島出版会)
評者=石村大輔
著者:
出版社:建築資料研究社
サイズ:A4
ページ数:152
発行年:2026.11
