ホーム 聞き書き 伝統建築の家 造る 住む 直す 職人の技

聞き書き 伝統建築の家 造る 住む 直す 職人の技

セール価格 2,640円(税込)

土搗きをし、礎石を置き、その上に柱を立て、木舞をかき壁土を塗る茅葺きの日本の伝統的な木の家。法隆寺棟梁の西岡常一氏が「300年は持つ」と語ったその伝統工法の家がどんどん失われている。建築基準法からその工法が除外されているため、新たに伝統工法の木の家を造ることはできないからだ。そうした中、伝統工法にこだわり、300年たって傾いた建物を直す大工、顔が映るくらい漆喰壁を磨く左官、石の重心を知り積み上げる石工、古民家を解体して再生する職人など、奇跡とも言える技を持つ人びとからの貴重な聞き書き。

■目次

第1章 伝統工法で家を造る

伝統工法にこだわる

昔の家を移築して技を学ぶ

石の重心を知り積み上げる

土壁の小舞は百年たっても大丈夫

風雨に強い白壁で仕上げる

棟のゆがみを見つけるのが大事

人間の感覚だけでできていくのが茅葺き屋根

家を曳くだけではない曳き屋の仕事

古民家を解体して再生する

自分の思うままに伝統建築を建てたい

第2章 伝統工法の素材をつくる

山に木を残す持続型森林経営

林業で馬の価値を高める

山から馬で材木を曳き出す

土佐漆喰は石灰岩を石炭と塩で焼く

国産漆を採取する

漆を植え、採り、塗る

快適な畳は藺草の栽培から

湧き水と雪がつくる上質な障子紙

第3章 伝統工法の家に住む

茅屋根を自分で補修

榧(ルビ:かや)の柱を生蝋(ルビ:きろう)で毎年磨く

世界遺産の五箇山に住む

原発事故を機に長屋門で暮らす

雪国で茅葺き屋根の家を守る

原発事故に遭遇した先祖代々の家

第4章 伝統工法の家を手入れする

表具には紙も糊も十年かける

襖は何回も紙を貼って仕上げる

なめらかに動く建具で快適に

黒ずんだ材を洗って元の美しさに戻す

漆は器だけではなく建物にも塗る

古い家にふさわしい畳をつくる

白蟻に喰われた材を新しくする

水の流れを知り雨漏りを防ぐ

昔の家でも便利に電化

著者:原田紀子

出版社:農文協

サイズ:四六

ページ数:274

発行年:2019.04