改訳 アウステルリッツ
建築史家アウステルリッツは、帝国主義の遺物である駅舎、裁判所、要塞、病院、監獄の建物に興味をひかれ、ヨーロッパ諸都市を巡っている。そして、彼の話の聞き手であり、本書の語り手である[私]にむかって、博識を開陳する。それは近代における暴力と権力の歴史とも重なり合っていく。
写真多数を挿み、無二の世界を現出した、「全米批評家協会賞」ほか多数受賞のゼーバルトの最高傑作、待望の改訳版。
「ドイツ語という言語が許してくれなかったメランコリーが実は書かれたものの底に隠されていて、それは作者自身が朗読する時や、翻訳された時のみ前面に出てくるということもあり得るのではないか。」多和田葉子「解説」より
著者:W.G.ゼーバルト、鈴木仁子
出版社:白水社
サイズ:四六
ページ数:298
発行年:2012.07
