エロイーズ・カニングハムの家
軽井沢に別荘を探していた著者が、森の中でふと見つけた小さな家。名建築家吉村順三の設計になるこの簡素だが美しい家は、日本の青少年に本物の音楽を聴かせる事業に一生を捧げたひとりのアメリカ人女性の別荘だった。この家に強く惹かれた著者は、その女性エロイーズ・カニングハムの生涯を調べ始める。
明治34年の秋、アメリカ人宣教師ウィリアム・カニングハムは妻エミリーと2歳になる娘エロイーズを連れて来日、四谷に最初の協会を設立し、布教を開始する。その間軽井沢に別荘を建て、エロイーズや後に生まれた次女ドリスを連れて夏を過ごした。17歳でアメリカに戻り、大学で音楽を学んで再び来日したエロイーズは、日本の青少年が生のオーケストラに触れる機会がないことを憂えて、昭和14年に青少年音楽鑑賞会を設立する。後に101歳で亡くなるまで続くエロイーズの献身的な「音楽の伝道」の始まりだった……。
著者:下重暁子
出版社:白水社
サイズ:四六
ページ数:218
発行年:2005.07
