地図で読む昭和の日本 定点観測でたどる街の風景
日本のさまざまな地域の歩みを「定点観測」でたどってみたい。時代の異なる同じ地域の地図を数種類比べることで、それぞれの時代になにが大切にされ、どのような変化があったのかが見えてくる。
本書で著者は千葉県谷津、大阪の堺、名古屋の中村、仙台の長町、東京の立川や銀座、博多や横浜など、全28景を追いかけていく。詳細な地図をもとに日本各地の街の歴史を考えることで、国のかたちが浮かび上がってくる。
■目次
・急速な欧化政策 銀座・有楽町
・水車と電線会社 西新宿・代々木
・塩田からタワーマンションへ 船橋
・日本一の町 荏原町
・日本初の水力発電所と電車 京都・蹴上
・塩田と養魚場は京浜工業地帯へ 川崎
・幕末以来の海軍の街 横須賀
・水田とグラウンドから大厦高楼の街へ 武蔵小杉
・砲兵工廠の最寄駅から大阪北東のターミナルへ 大阪・京橋
・村山貯水池を目指した三本の鉄道 多摩湖畔
・大正時代に出現した田園の遊廓 名古屋・中村
・東京から埼玉へ移籍した村 浮間
・「空都」から多摩の中心へ 立川
・仙台南隣の宿場町は「副都心」へ 長町
・中世の自治都市 堺
・鉄道聯隊の村から交通の要衝へ 習志野
・浜沿いの農村から住宅都市へ 芦屋
・「苫屋の煙」たなびく漁村から三五〇万都市へ 横浜
・水田の広がる「鹿手袋」から交通の要衝へ 武蔵浦和・中浦和・西浦和
・田んぼの広がる砂利電車の終点から「郊外型SC」の街へ 二子玉川
・砂村新四郎が開拓した新田は今 砂町
・兵員輸送の拠点港から大工業地帯へ 広島・宇品
・猪苗代と利根川の名がここにある理由 東京・尾久
・日本で一か所しかない文字の地名「垳」 埼玉・八潮
・幕府の火薬庫から大学の町へ 明大前
・今はなき碁盤目の城下町 名古屋
・鉄道とビールの街 吹田
・古代以来の国際貿易港の町 博多
著者:今尾恵介
出版社:白水社
サイズ:四六
ページ数:334
発行年:2012.10
