デザイン力 デザイン心
本書はデザインという言葉がもつ幅の広さと、奥行きの深さを実感するのに最適の書である。第一章ではデザイン周辺の一般知識及び教養を話題とし、二章では著者の仕事とデザインの話、そして第三章でデザインに関わる著者の理念について語っている。
■目次
・まえがき
・第一章 無垢からの経験
プールサイドのファンズワース邸/木漏れ日の廃邸/鉛筆削りと模型飛行機/内向型少年の苦悩/「去年マリエンバードで」/マテリアリストのないものねだり/日本の感性が映像となる日/日本よさらば/アメリカで底辺を見る/夢の落差/ミラノではじまった自分捜し/愛のある街/イタリア/パブリックとプライバシー/ヴェネツィア/迫り繰る石壁/遮断し隔絶する空間意識/トスカーナ/富士はあまりにも小さかった
・第二章 空間造形にはせ参じて
グラフィック・タイプフェイス/照明器具をつくる/プラスティック椅子をつくる/機能から五感へ/音環境がつくる現在/空間の把握/アルフレックス/イノーバ・チェア/和のイメージを求めて/二十世紀への追憶/赤坂角地のシンボルオフィス/四メートル幅に三階建て木造住宅/山麓にたたずむ別荘と研修寮/感性のよりどころ
・第三章 未来のデザイン日本のために
写生と幾何学/フォンタネージについて/岡倉天心の世界/バウハウス伝播の時代の光と影/ブルーノ・タウトの問題意識/マン・レイに見るなんでもあり/「やはり造形か」/学習とマネの混用について/観光立国は本当に可能か/「インテリア・デザイン論」から考える/美しくあるための国の役目/二十一世紀デザイン問題の背景/デザイナーの主体性とは/下請化と化学化に流されないために/感じられる日本の創造
・あとがき
著者:大倉富美雄
出版社:美術出版社
サイズ:A5
ページ数:246
発行年:2006.03
