凸と凹と 竹中工務店設計部のなかみ
デザインをする際、画面全体にどのようなリズムを与え、コントロールするかを訓練する「平面構成」という課題がある。本書では、建築を設計する際の「建築」とそれが置かれる「社会」との間に「平面構成」と同じような関係を見たてて、竹中工務店設計部の仕事を紹介した書。現場の声や事例の写真が多数収録されている。
■目次
・I 社会の作用・建築の反作用
見守る建築 人びとをゆるやかに支援する/もうひとつのレス・イズ・モア 環境と「つくらないこと」/「仲介者」としての建物 地域のなかの小さなあつれき/「デザイナーズに住む」という意識の周辺 団塊ジュニア以降の住宅観/存在意義を確認する 連続する過去・現在・未来/すべての社屋はマークである 建築のVisual Identity化を考える/伝えるための場 人を育てる「触発の社屋」/最適空間の探究 「仕事の質」を高めるために/ワークプレイスの実験 コミュニケーションは進化する
・II 建築を読もう
賑わいは、街にしかけられる (対談)「街づくり」がベースとなる商業施設の計画 林昌明×松本伸洋/素材からわきたつもの (対談)素材は人間の無意識に訴えかける 内海慎介×久武正明 (対談)「唯一のもの」に仕立ててくれる素材の力 梅野圭介×澤田勝/空間は人によりそう (対談)囲われる場所に「ゆらぐもの」をとりいれる「空間」の操作 鈴木重則×鍋谷めぐみ
・III デザインのある部分
どうなりたがっているのかを見つめてみる 「すこし引く」ことの効用/場所の文脈をよみとる 建築と土地、人を結ぶ絆/マネジメントもデザインのうち 建築設計とリーダーシップ/無意識のなかから デザインは、そして無意識へと帰着する
・IV 設計部というワンダーランド
がらがらぽん/御堂筋にたった子犬/都市の真ん中に「複雑」施設をつくる/多国籍軍、奮闘す。/ジャパンチーム、かくたたかえり。/世界の職人と仕事をする
・V 会社という土・明日という空
ひとつ屋根の下で 新社員の一年/現場のおしえ プレハブ小屋で過ごす日々/デザインレビュー 組織で設計するということ/ready for making
readymade 米正太郎/原風景をつくる 鍋谷めぐみ/洗練の時代に「つくる」ということを考えた 川建康/「間」係のための物づくり 鈴木重則
・コラム
病院のなかの光の万華鏡/街に置かれた「家」/夜景散歩/軽やかなピラミッド
・あとがきにかえて・・・
・掲載作品データ
・図版クレジット
著者:竹中工務店「凸と凹と」ワーキンググループ+長谷川直子
出版社:美術出版社
サイズ:B5変
ページ数:231
発行年:2009.03
