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新しい都市空間 都市理論とスケール問題

セール価格 5,170円(税込)

いま世界で最も影響力のある都市研究者ニール・ブレナーの初の邦訳単著。過去から現代にいたる都市研究の達成を、地理学・社会学・政治学・環境学・建築学の横断領域で網羅的に整理する最先端の探究。境界を持つ単位としての都市を超えて都市化を多スケールに構成されるプロセスと考える「リスケーリング」理論や、近年の社会科学を席捲する「惑星的都市化」の理論を解説・展開する代表的著作。

■目次

1章 都市問題はスケール問題なのか?

 問題設定の筋道

 国家のリスケーリングと都市問題

 都市化の組織体

 探究の輪郭線

 議論のアウトライン

 理論の位置

2章 「動かないこと」と「動くこと」のあいだで─都市組織体のスケール化

 不動性/有動性の矛盾とスケール問題

 アンリ・ルフェーブルとスケール問題

 スケール間の網目─都市化、国家空間、空間物流

 国家空間、スケール不動、都市化の組織体

 都市組織体のリスケーリング─調査に向けて

3章 再編成、リスケーリング、都市問題

 空間、スケール、都市問題

 都市問題の(再)スケール化?

 スケール的分析の課題と陥穽

 リスケーリングをめぐる九つの提案

 スケールに照準した都市理論へのアプローチに向けて

4章 世界都市の形成と都市化のリスケーリング

 「都市的なもの」の新しいスケール化─世界都市の理論と世界都市の群島

 世界都市と国民空間─批判と再定式化

 ポストケインズ主義的な地理のリスケーリング

 グローバル化する都市と新しいスケール政治─ポストケインズ主義の欧州を例に

 都市問題からスケール問題へ

5章 都市と「ニュー」エコノミーの政治地理

 都市化、領域的組織、そして不均等発展のレギュレーション

 空間ケインズ主義の頂点における領域レギュレーションの地理

 危機管理、そして内発的発展の新しい政治

 国家空間のリスケーリングと「新たな」都市経済の追求

 一九九〇年代における大都市地域主義の曖昧な再興

 ニューエコノミー、そしてレギュレーションの新しい景観

6章 競争的な都市地域主義とスケール政治

 大都市地域主義と資本主義の歴史地理

 競争的な都市地域主義へ向けて?

 「新しい地域主義」という解釈の限界

 国家のリスケーリングと都市化のレギュレーション

 大都市レギュレーション空間とスケール政治

7章 都市成長マシン─しかし、どのスケールにおいて?

 問われる地方主義

 都市開発をとりまく国民的な制度パラメター

 成長マシンと不均等発展の政治地理

 多スケールな政治戦略としての都市成長マシン

8章 サウザンド・レイヤーズ─不均等発展の地理

 複数の基礎

 ミルフィーユ、または千の葉

 場所と不均等空間発展

 領域と不均等空間発展

 スケールと不均等空間発展

 ネットワークと不均等空間発展

 資本主義的な都市組織体への同質異像なアプローチに向けて

9章 惑星的都市化─都市問題の変容

 「都市の時代」とその限界

 構成的外部の内部化

 緊張下にある都市的なものの認識論

 かつて都市研究として知られた領域?

 都市的なものの問題設定に、ふたたび枠組みを与える

10章 結論─都市化の新しい空間

 メタ理論的な総合をめざして

 都市(化)空間への、理論的に再帰的で、プロセス重視のアプローチ

 都市化のパターンと経路、際限なきそれら

 集中的都市化と拡大的都市化の弁証法

 国家の空間戦略、そして都市組織体の刷新

 批判的都市理論と「シティ効果」

 最後に─惑星的な大変貌と都市問題

著者:ニール・ブレナー 著林真人監

出版社:法政大学出版局

サイズ:A5

ページ数:520

発行年:2024.05