水都学 III 東京首都圏 水のテリトーリオ
江戸・東京では、低地にある下町の掘割や運河だけでなく、武蔵野・多摩地域の台地、崖線、丘陵にも、多くの河川、湧水、池、用水など水の空間やネットワークが有機的に広がり、人々の暮らしを多面的に支えていたことが近年明らかになった。従来の水都の概念を大きく拡げ、源流から湾までのテリトーリオ(地域)の視点から大都市をとらえなおす。
■目次
・はじめに 陣内秀信
・特集 東京首都圏 水のテリトーリオ
・巻頭論文
水都学の広がりと可能性 なぜテリトーリオか 陣内秀信
・論文
源流から解き明かす東京水圏の地域構造 神谷博
江戸東京と内川廻し 河川舟運からみた地域形成 難波匡甫
東京湾を中心とした<海域> 岡本哲志
<討論>
水の視点から首都東京を見直す
・水のテリトーリオを読む
・論文
アマルフィ海岸における交易の海と水車産業の川 稲益祐太
・研究動向
イタリアにおける都市・地域研究の変遷史 チェントロ・ストリコからテリトーリオへ 植田曉
・研究報告
ヴェネツィアを支えた後背地の河川の役割 樋渡彩
荒川水系 筏流しと舟運 道明由衣
音風景史試論 遅野井(善福寺池)を中心として 鳥越けい子
・水都学ニュース
〈展覧会紹介〉中川船番所資料館 特別企画展「行徳・新川と小名木川」 久染健夫
・書籍紹介
宮村忠著『川を巡る 「河川塾」講義録』 難波匡甫
編集後記 高村雅彦
著者:陣内秀信、高村雅彦
出版社:法政大学出版局
サイズ:A5
ページ数:278
発行年:2015.02
