
YAP Constructo 07: Nomadic Dome a Tensegrity Pavilion Chile - Japan
この本は、南米チリ、サンチアゴから日本の山中湖に渡ったノマディックドームと呼ばれるパビリオンの、8年にわたる記録をまとめたプロジェクトブックである。
このパビリオンの特徴は「テンセグリティ(Tensegrity)」と呼ばれる特殊な構造形式を用いて、移築・解体を前提として設計されており、引張材と圧縮材を組み合わせたこの構造は、少ない材料で大空間を生み出すとともに、軽やかで浮遊感のあるデザインが見る人に驚きと感動をもたらす。
本書では、設計過程におけるドローイングや模型、構造の検討、学生たちとのセルフビルドワークショップの建設記録を通じて、パビリオンが形作られるプロセスを追うことができる。加えてこれまでのテンセグリティ構造の 歴史や変遷に触れ、資料としての位置づけも意識した。完成後の写真では、チリの人々の活気と日本の繊細な風景との調和が描かれ、建築そのものがアート作品であることを伝えている。
西沢立衛氏やスミルハン・ラディック氏といった建築家、佐藤淳氏や川口健一氏をはじめとする構造家、クライアントや学生といった関係者へのインタビュー、さらには山道拓人氏との対話も収録され、多様な視点から、チリと日本の建築文化の相違や類似、技術的な試行錯誤、そして作ることへの情熱が語られている。
この本では、 建築デザイン・エンジニアリング・ランドスケープが文化や時間を超えて交わることで 生まれる新たな表現を模索した。
エフェメラルリサーチは2017年にチリで設立された4人(原田雄次、 クラウディオ・トーレス、クララ・ロイター、 エミル・ストラウブ)の建築家によるグループ。
■目次
・プロジェクト概要
<Chile/チリ>
・Interview 1 : Smiljan Radic
スミルハン・ラディック/建築家
・Process/デザインプロセス
・Interview 2 : Jeannette & Marcelo
ジャネット & マルセロ(Constructo)/クライアント
・Structure/構造検討
・Interview 3 : Jun Sato & Shohei Furuichi
佐藤淳 古市涉平/構造家
・Construction/施工プロセス
・Interview 4 : Chilean Students
サンチアゴ ワークショップ参加学生
・Completion/完成写真と図面
・Disassemble/解体
・Relocation/日本への移築
・Process/デザインプロセス
・Interview 5 : Koichi Morita
盛田浩市(愉快な暮らし)/クライアント
・Construction/施工プロセス
・Interview 6 : Japanese Students
山中湖ワークショップ参加学生
・Completion /完成写真と図面
・Interview 7 : Ryue Nishizawa
西沢立衛/建築家
・Timeline/タイムライン
・Interview 8 : Kawaguchi Kenichi
川口健一/ 構造家
・Components/部材と構成要素
・Interview 9 : Ephemeral Research + Takuto Sando.
エフェメラルリサーチ+山道拓人(ツバメアーキテクツ)
・Contribution/コントリビューション
著者:エフェメラルリサーチ、古市?平、原田雄次、織田可久瑠
出版社:工藝書房
サイズ:A4
ページ数:200
発行年:2025.05