民家再生の技術
日本の民家は、地方経済の衰退、核家族化、現代生活に対する機能的不適応、耐震・防火・法律に対する不適応、伝統工法の衰退、維持コスト等々の理由によりその多くが取り壊されたり廃屋になっている。一方、こうした大きな流れの中で、地域に根ざした民家を、住まい手の記憶の伝承や地域景観の保存といった観点から再生し住み続けようする動きも全国各地で試みられている。本書は、現代の法律に則り民家を再生し使い続けるための手続きや建築技術をまとめた初めての書であり、再生の動きが広がる様相を見せている今日、コンスタントな需要が見込まれる。
■目次
第1章 再生のプロセス(現地再生と移築再生、再生のプロセス、スケジュール、契約)
第2章 調査(調査手順、調査報告書、調査費用)
第3章 基本設計(平断面計画、構造計画、仕上計画、工程計画、概算見積)
第4章 実施設計(平断面詳細図、矩計図、特記仕様書、建具計画、設備図、法規・確認申請)
第5章 民家の素材(屋根、壁、床、天井)
第6章 民家の耐震設計(地盤調査、基礎構造、伝統構法の耐震性能、耐震壁の配置)
第7章 民家再生のコスト(設計の概算見積り、民家再生のコスト、適正なコスト)
第8章 解体(解体の方法、解体上の留意点)
第9章 施工(施工の手順、施工管理、原価管理、トラブル防止、参考工程表)
第10章 部材修理(民家特有の部材修理、部材修理上の留意点、古建具の修理)
第11章 工事監理(建築主・施工者と監理、工事監理とは、工事監理の方法、工事監理の留意点)
・事例集
現地再生
(小木人の舎、松前邸)
移築再生
(ハルダム邸、伊豆高原の家、奥村邸、高野邸)
著者:日本民家再生リサイクル協会
出版社:丸善
サイズ:B4
ページ数:205
発行年:2007.12
