ディテールから探るル・コルビュジエの建築思想
コルビュジエの遺した、あまりにも偉大な作品群は、ドア・ハンドル、手すり、階段といった様々な詳細(ディテール)から成り立っている。そこには、作品そのもの同様、彼自身の建築思想・哲学が宿り、深い意味がこめられている。
著名なコルビュジェ研究者の一人である著者の関心は、ディテールそのものの独創性、技術的解説や、応用可能性というよりも、それが内包する意味にある。本書は、ディテールを通じた「建築家ル・コルビュジエ」の思想・哲学の発見を目的としている。コルビュジエ論の新たな方向性を示す一冊。
■目次
序
1.標準化と統一
標準化/標準材料/標準構造(コンクリートの躯体/鉄骨構造/ヴォールト屋根)
結論
2.身体的ディテール
擬人法(アントロポモルフィスム)/
触れること(壁と柱/ドア・ハンドルと手すり/家具/床)/
色彩/空間/音
結論
3.光と闇
意味/窓(水平窓/ガラス窓/ブリーズソレイユ/波状の窓)/
明り取り屋根/反射/人口照明/
結論
4.フレーミング
視界/物体(オブジェ)/空間/
結論
5.建築的プロムナードの要素
扉/階段と斜路
結論
6.儀式
祭壇/火-暖炉の周り/水/
結論
7.雲 1959
ブラジル/地理学の教訓/透視画法/
屋内におけるユルバニスム
・結論
・参考文献/索引/あとがき
著者:フローラ・サミュエル、加藤道夫監
出版社:丸善
サイズ:A5
ページ数:270
発行年:2009.11
