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戦後日本デザイン史

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日本の戦後デザインは時代とどう向きあい、何を達成してきたのだろうか。

敗戦後、進駐軍用住宅と備品の製作で学んだアメリカンライフ。大量消費・画一化の産業社会に抵抗した60年代。日常の風景をつくろうとした70年代。モノよりイメージを売ったバブル期の企業戦略。デジタル隆盛下のコミュニケーションをかたちにするデザイン・・。

時代の「いま」をつくるべく闘った、多くのデザイナーたちがいた。彼らの仕事には日本の伝統的美意識や、風土が育んだ身体・空間感覚が受け継がれ、いまや転換期にある世界のデザインに大きな示唆を与えようとしている。

インテリア・デザインの第一人者が、グラフィック・ファッション・プロダクト・インテリアなど諸領域にわたるデザインの歩みを描く。戦後史から未来へと、「人間の幸福と日常」のためのデザインを求めて、大きな視野を開く書。

■目次

・はじめに 瓦礫の山を越えて

・第一章 戦後デザインの出発-50年代

 焼け跡の占領下から

 進駐軍のデザイン

 デザイン運動の黎明期

 集団化するグラフィック・デザイン

 デザインの社会的発展

・第二章 工業化社会への疑問――60年代

 高度経済成長の余波

 もはや戦後ではない

 世界デザイン会議

 東京オリンピック

 インテリア・デザインの自立

 パラダイムの変換

 日宣美解散

・第三章 工業化社会から情報化社会へ-70年代

 戦後の終わり

 大阪万博EXPO70

 企業戦略とアートディレクター

 インテリア・デザインのゲリラ的展開

 失われたカオス

 70年代のファッション・デザインの動向・・高田賢三・三宅一生

 DECOMAS委員会とCIの普及

 ライフスタイルとパーソナル化へと向かうプロダクト

・第四章 デザインの多様性-80年代

 バブル景気とその時代

 複雑に交差するグラフィック・デザイン

 挑戦しつづけるインテリア・デザイン

 ■ファッション・デザイナーとの対話

  ・三宅一生と倉俣史朗

  ・山本耀司と内田繁

  ・コム・デ・ギャルソンと河崎隆雄

  ・高田喜佐と三橋いく代

 文化推進力としての家具デザイン

 世界に躍進したファッション・デザイン

 プロデュースされた流通とプロダクト

・第五章 環境の時代に生きるデザイン-90年代~2010年

 三宅一生の周辺から

 広がるグラフィック・デザイナーの領域

 ローカリズムとグローバリズムの間で

 環境の時代のニューインダストリー

 ポストバブルの都市とデザイン

 戦後のデザインが貫いたもの

・終章 人間のためのデザイン

 デザインとは何か

 21世紀のデザインのあり方

 ■「弱さ」という感覚世界のデザイン

 ■変化 微細 いま

 ■これからのデザイン

   人間・社会共同体・関係

   デザイン・情報・イメージ

   デザイン・環境・技術

・おわりに 「無常観」から「無常美観」へ

著者:内田繁

出版社:みすず書房

サイズ:四六

ページ数:413

発行年:2011.08