映像の歴史哲学
札幌大学での「映像文化論」講義を編集して、本書は成った。ここには著者の活動の軌跡と思考のすべてが鮮やかに凝縮されている。
子供時代に生まれて初めて見たリーフェンシュタールの映画『オリンピア』にはじまり、自身が関わった写真雑誌『プロヴォーク』を中心に、中平卓馬や東松照明と共に生きてきた時代のこと、マリネッティはじめ未来派の問題性、バルトやフーコーとの出会い、そして著者の思考の核にもなったヴァルター・ベンヤミンについて。20世紀という現在を歴史的現在として捉えようとする歴史哲学の試み。
■目次
歴史の天使
第一章 ルプレザンタシオン 世界を探究する
第二章 反オーソリティー あらゆる他者と出会う
第三章 ヒストリカル・フィールド 私たちが知を形成する以前
第四章 未来派 二〇世紀を考える
第五章 オリンピア すべてが映像になるために作られた神話
第六章 クンスト 日常の技芸を守る
後記
著者:多木浩二、今福龍太
出版社:みすず書房
サイズ:四六
ページ数:232
発行年:2013.06
