建築の前夜 前川國男論
ル・コルビュジエのもとで学び、帰国後レーモンド事務所を経て独立した建築家・前川國男(1905-1986)の前半生、敗戦までの軌跡。「日本趣味を基調」という募集規定にあえて逆らった案により一躍モダニズム運動の旗手として脚光を浴びた東京帝室博物館(現・東京国立博物館)コンペ、当初の前川案から紆余曲折を経て坂倉準三の手に委ねられ、建築部門グランプリを受賞したパリ万博日本館、そして戦時下最後のコンペとなった在盤谷日本文化会館ほか日本近代建築史上重要な設計競技やプロジェクトの実相を水面下の動きとともに浮かびあがらせ、戦時下の体制への建築家の関与や抵抗をも検証した決定版資料である。収録図版約200点。
■目次
ル・コルビュジエと出会う
レーモンド事務所の時代
独立後の挑戦
日中戦争下の模索
ナチス・ドイツの影
太平洋戦争と建築学会
思索と日々
自邸とバケツと
著者:松隈洋
出版社:みすず書房
サイズ:A5
ページ数:493
発行年:2016.12
