ジェントリフィケーションと報復都市
ジェントリフィケーション研究の古典として評価の高い本書は、都市への投資とその引揚げがもたらす機制を理論的に解き明かすと同時に世界各地での事例も取り上げた、21世紀の「都市開発」の光と闇に迫る一書である。
ジェントリフィケーションの過程においてインナーシティに住まう人々は、都市を「盗み取った」のだとして非難され、その土地は奪い返されなければならないとされる。このような報復と敵意の感情こそが、現代のジェントリフィケーションを正当化する要素として、分かちがたく組み込まれつつあるのだ。著者はこれを「報復都市」と呼ぶ。
■目次
・第1章 「アベニューBの階級闘争」
・第2章 ジェントリフィケーションはダーティ・ワードか?
第I部 ジェントリフィケーションの理論に向けて
・第3章 ローカルな議論 「消費者主権」から地代格差へ
・第4章 グローバルな議論 不均等発展
・第5章 社会的な議論 ヤッピーと住宅をめぐって
第II部 グローバルなことはローカルなこと
・第6章 市場・国家・イデオロギー ソサエティヒル
・第7章 キャッチ=22
・第8章 普遍と例外をめぐって ヨーロッパの三都市
第III部 報復都市
・第9章 ジェントリフィケーションのフロンティアを地図化する
・第10章 ジェントリフィケーションから報復都市へ
著者:ニール・スミス、原口剛
出版社:ミネルヴァ書房
サイズ:A5
ページ数:404
発行年:2014.05
