残像のなかの建築 モダニズムの終わりに
気鋭の学者によるモダニズム建築の批評書である。ロース、タウト、メンデルゾーン、シュビッタース、ミースリベンスキーとしてヴィトゲンシュタインの建築と20世紀ドイツを代表する作家達がそれぞれのモダンの物語を奏でている。
■目次
・まえがき 近代建築史へのまなざし
・美術史の曖昧な対象 衰退期(デカダンス)について
「可視的なもの」と身体 フィードラー、ヒルデブラント/衰退期の価値転換 リーグル/アレゴリーとしての建築ドローイング ベンヤミン、リンフェルト/引き裂かれた知覚 アウラと非芸術
・I 壁と扉
着衣の作法 アドルフ・ロースのダンディズム
着衣の原理 建築のダンディズム
装飾とエロス 仮面の論理
「ダ・ダンディ」ロース その墓に
ウィトゲンシュタインの扉
家族の肖像 建築と哲学の「身ぶり」
橋と扉 ウィトゲンシュタインとハイデガー、そして「住むこと」
・II 大地
建築という祝祭 「幻想建築家」ブルーノ・タウト
生成する建築 加速する幻想
大地の変容 ユートピアとニヒリズム
血のデュナーミク 仮想のアインシュタイン塔
二〇世紀のカメラ・オブスキュラ 相対論的「場」の建築
戦争機械の系譜 動員される建築
・III 建築家の欲望
生成変化する迷宮 クルト・シュヴィッタースのメルツ建築
メルツの論理 廃物の「毒」と作品形式
「エロティックな悲惨の大聖堂」 アトリエに埋葬される世界
メルツという「私」 未完の「主体」
虚のファルス 建築家ミース・ファン・デル・ローエの誕生
構造という思想
ガラスの矛盾
建築家のヒステリー的主体 モダンの「伝統」
終わりの時代の建築家 ダニエル・リベスキンドの署名
建築の「他者」/建築の「終わり」
歴史のただなかの空虚 固有名としての建築
・「終わりに」 Before and After Architecture
著者:田中純
出版社:未來社
サイズ:A5
ページ数:241
発行年:1995.07
