
ディテール 170 かたちのあり方 多様な局面をもつ建築表現を探る
■特集 かたちのあり方-多様な局面をもつ建築表現を探る
シンプルな表現を志向した建築は、明快であるが退屈でもある。両義的・反語的な、もしくはそれ以上に多様な様相を同時に成立させている建築は、一言で形容できない複雑さを持つがゆえに、豊穣であるともいえる。本特集では後者に焦点を絞り、「かたち」のあり方とそのディティールの関係を読み解きながら、建築の豊かさを考える。
・非言語的建築の多相
・環境・物質・身体―部分と全体の非言語的再発見
・始まりと終わりの作法
・事例22作品
構造と表層の拮抗:ドミノを纏う非均質性-Dクリニック 山本理顕設計工場/強度と透明性の両立:クリスタルな非均質性-和歌の浦アート・キューブ 下吹武人 A.A.E./官能的な両義性:硬質でやわらかな光のゲルキューブ-ディオール表参道 妹島和世+西沢立衛 SANAA/深さをもつ皮膜:混彩する不均質な光と素材-行燈旅館「内」と「外」の間XIII 早稲田大学入江正之研究室+D.F.I/光の量塊と粒子:水底に灯る埋み火-国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館 国土交通省九州地方整備局営繕部 栗生明+栗生総合計画事務所/静と動の共存:不整形シェルによるステルスな甲殻体-hhstyle.com casa 安藤忠雄建築研究所/非構築的構築性:二重の「ずれ」をもつ非連続な一体構造-fw blog.駒沢通りの集合住宅 若松均建築設計事務所/重い光:トップライトと一体化した十字コラム-福井県立図書館・文書館 槇総合計画事務所/分離と連続:地形を転写する屋根-軽井沢・プリンスショッピングプラザ ニューイースト 池原義郎・建築設計事務所 西武建設/触覚的な不整形体:ダブルエンボスパネルによる外殻表現-SSM 菅野美術館 阿部仁史+阿部仁史アトリエ/虚のストラクチュア:光に融解する張弦梁-慶應義塾幼稚舎 新館21 谷口建築設計研究所/薄さと深さの両立:皮膜化したコンクリート-オーウエル東京ビル 竹中工務店/均質がもたらす非均質:踊る窓-UNABO 古谷誠章 NASCA/まっすぐな曲面:ガラスの折り紙-IL TEMPO 矢坂久明建築設計研究所/目透しの組積造:構造化されたPCルーバー-積層の家 大谷弘明(日建設計)/風景の調停:初期化された既存建築-上諏訪の家 渡辺明設計事務所/時間の混成体:ダブルパッケージとしての屋根-近江邸増改築 西森事務所/等質という多様性:トリミングされた既存ストラクチュア-亀や竜宮殿 SUPER-OS/抜けた天蓋:極小部材トラスのオープンシェルター-六本木一丁目駅出入口 No.3 北山恒+architecture WORKSHOP/マッシブなレイヤー:奥行きのある断片の連続体-分とく山 隈研吾建築都市設計事務所/落下と浮遊の交錯:浮遊する濃密なインテリアスケープ-エルメスブティック丸の内店 レナ・デュマ ドミニク・エブラール/等価と異化の擬態:フレキシブルな極薄ジョイントシステム-ecoms アルミ家具 Grid Shelf、S-table/山本理顕設計工場
■今日のディテール
リングによるポーラスな構造体-白い教会 基本設計・実施設計監修:青木淳建築計画事務所 構造設計:空間工学研究所、協力:腰原幹雄/網目状の構造システムに呼応した外装のディテール-レイカズン本社ビル 照井信三建築研究所/光溢れるコミュニケーショナブルオフィス-東洋ロキ製造グローバル本社ビル 久米設計/周辺環境と向き合うすだれ外装とアトリウムのガラスカーテンウォール-キヤノン矢向事業所 KAJIMA DESIGN/懸造りのトイレ-身延山久遠寺 参詣者トイレ 竹中工務店/丸太材の偏芯接合によるサッカーボール形ドーム-安中市(旧 松井田町)立九十九小学校 アルコム 構造設計:稲山建築設計事務所/木の段板を支持する三つの異なる素材と手法-安中市(旧 松井田町)立九十九小学校 アルコム 構造設計:稲山建築設計事務所/ダイヤブロック玩具で設えた光壁-ロックビレイビル 日建設計
著者:
出版社:彰国社
サイズ:A4
ページ数:148
発行年:2006.10