景観のなかの建築
景観の一部である建築が、どうのようにして融合してきたのか。景観とは、そこに広がり見えるあるがままの地形的・物理的なものではなく、眺める人との関わり合いで成立するものと語る筆者が、古代ローマの神域、神殿、神聖な広場、地底、厳島神社、農村歌舞伎の芝居など、ヨーロッパや日本の原型的な景観を全身で感じ取りながら、臨場感溢れる筆致で挿絵・写真をまじえながら一つひとつ紐解いていく。
■目次
・都市の入口を象徴する神殿 ナバテア王国の都ペトラの景観(ヨルダン)
・朝日が昇る聖なる山に向かって進む祭列 アテネのアクロポリス(ギリシャ)
・光る海に浮かぶ船の神殿 安芸の厳島神社
・ある街路の景観 中世の面影を残す街路の都市ベルン(スイス)
・神聖な、生きられる広場の景観 ダッタトレヤ広場、バクタプール(ネパール)
・力動性に富む、壮大な古代ローマの神域 フォルトゥナ・プリミゲニア神域、パレストリーナ(イタリア)
・静寂が支配する地底の景観 二重らせん階段のサン・パトリツィオの井戸、オリヴィエート(イタリア)
・野に繰り広げられる農村歌舞伎の芝居 信州東御市祢津
・自然景観中に飛翔し、浮遊する大広間 バロックのアルタン伯城館、ヴラノヴ(チェコ)
・神々が棲む偉大なる自然景観に抱かれるアポロンの神域 神託の地デルフィ(ギリシャ)
・景観のなかの建築(あとがきにかえて)
著者:伊藤哲夫
出版社:井上書院
サイズ:A5
ページ数:171
発行年:2005.04
