
Anything 建築と物質/ものをめぐる諸問題
1991年から開かれてきた「Any」コンファレンスは2000年、第1回目の開催地ニューヨークに戻り最終回を迎えた。20世紀末の10年間、「Any」コンファランスは建築と哲学・思想を架橋してきた。最終回「Anything」では、「コンピュータの使用により、建築の概念化モードは根本的に変わってしまっている」現代において、建築における「thing」の意味を問いかける。
■目次
第1章 抽象としてのThing
・空間の中で時を過ごすことについて 空港と都市現象/ベルナール・チュミ
・メタファーからアレゴリーへ/フレドリック・ジェイムソン
・ずっと遠い未来の孤独/ロミ・コズラ
・グローバル・デジタル・ワールドにおけるスケールとスパン/サスキア・サッセン
・インターフェイスとしての建築/ハニ・ラシッド
第2章 客体としてのThing
・変化を求める空間/ウルフ・ブリックス
・開放系技術・デザイン論ノート/石山修武
・リモート・コントロール/マーク・C・テイラー
・ストレス/ブルース・マウ
・水面を歩く/ダニエル・ビュレンヌ
第3章 マテリアルとしてのThing
・建築へのムードのなかで/ジェフリー・キプニス
・光の物質性/スティーヴン・ホール
・放射統合の諸効果/ベン・ファン・ペルケル/カロリン・ボス
・ガダマーの床を考える/ジャック・ヘルツォーク
・建築と呼ばれる事物/ラファエル・モネオ
第4章 感情としてのThing
・ブラー/バブル /エリザベス・ディラー
・触感する物-エモーション・ピクチャーズ/ジュリアーナ・ブルーノ
・物の小系譜学/磯崎新+浅田彰
・異様なものにすること/ザハ・ハディド
・介入するもの/ゲイリー・ヒル/ポーライナ・ウォレン/バーグ=オルソン
第5章 オブセッションとしてのThing
・¥ユーロ$体制/レム・コールハース
・インフォメーション・オブセッション-マルチスクリーンの建築/ビアトリス・コロミーナ
・オブセッション≠ファッシネーション/ジャン・ヌーヴェル
・フレキシブル・アーキテクチャー/ゲルマーノ・チェラント
・難民共和国/インゴ・ギュンター
・ニュー・ジェネリック
第6章 観念としてのThing
・あらゆるものから生物学的なものへ/アンソニー・ヴィドラー
・表層の刻印/イグナシ・デ・ソラ=モラレス
・物(ザ・シング)/エリザベス・グロス
・で、ないもの/ユベール・ダミッシュ
・他者としての物/柄谷行人
・切断を生み出すこと/ピーター・アイゼンマン
著者:磯崎新+浅田彰
出版社:NTT出版
サイズ:A5
ページ数:299
発行年:2007.07