三低主義
いま私たちはどのようなライフスタイルを選択すべきだろうか?キーワードは「三低」(低価格・低姿勢・低依存)である。この数年、都市の生活文化が変わった。大規模な再開発が進む一方、若者の間では下町志向が増えている。ヒルズ流の「三高」(高価格・高姿勢・高依存)と、下町流の「三低」・・低価格・低姿勢(かわいい)・低依存(エコ)、この二極化が、現代日本の都市の現状である。本書は、この「三低」という視点から都市と消費社会の現在を分析し、新しい都市、建築、住宅のありかたと日本社会のあるべき姿を考える。
■目次
・第1章 三低の都市、建築って?
進歩の終わりの時代/二十世紀の都市の死と生
モール化する世界には耐えられない/高圧的建築を超えて
いるだけで楽しい町/コルビュジエの深層心理
都市のファスト風土化/お笑い感覚を取り戻せ
シンドラー自邸の「三低」な魅力/都市に混じりっ気がなくなってきた
「三低」の美学/アレグザンダーですら・・
・第2章 中古マンションをリノベして中古品だけで揃える
隈研吾の原風景/モダンはもっと陰影に富んでいる
旅行しない建築学生/移動がネガティブな意味に変質している
普通の民家や商店のほうが面白い/「三高」で「三低」な宮脇檀
郊外住宅地の限界/昼の都市から夜の都市へ
私有主義的郊外からの脱却/建築が新しい雇用を生むには
シンプル族の住み方
・第3章 借りる建築、借りる都市
コーポラティブ賃貸住宅みたいなものがあるといい
古いものを活かす/東京の風土、バナキュラーとは?
私生活にこもらないライフスタイル
50年前は近代的なものがいいと思ったのに、今では全然違う
死ぬための街、弱い人が幸せに暮らせる街
隈研吾の賃貸住宅計画/記憶喪失型まちこわし
郊外化が若者に与えた影響/脱ぎ捨てられる建築
時間をシェアする住み方
・あとがき
著者:隈研吾、三浦展
出版社:NTT出版
サイズ:B5
ページ数:251
発行年:2010.02
